定期テストで平均50点だった子2人いました。
仮にAさんとBさんとしましょう。
その子達が平均70まで取れるようになりました。
Aさんは3ヶ月、Bさんは3年かかりました。
最初の点数だけ見れば同じなのに、この成長速度の差はなんでしょうか?
成長速度
努力量の差が成長速度の差に出たのでしょうか?
多少の差はありましたが、二人とも頑張っていたので、努力量の差が主ではありません。
親は大体Aさんのように3ヶ月で成長することを期待します。しかし、大体はBさんのように3年かかるケースが多いです。
実際Aさんの方がレアなケースです。
Aさんは部活に熱中し、良い成果を出して部長になったけれども、今まで勉強はやって来なかったタイプ。
Bさんは逆に勉強はそこそこやって来たけれども、他の事で成果は出していないタイプです。
この二人最初の点数こそ同じですが、実は学力の最大値が違うのです。
学力の最大値
仮にAさんは学力の最大値は70点だけれども、現状50点を取っていたとします。
またBさんは学力の最大値が50点なので50点を取っていたとします。
この場合Aさんは最大値まで学力を上げれば70点になります。
しかし、Bさんは最大値そのものを70点まで上げなくてはなりません。
その最大値まで伸ばすか、最大値を伸ばすかの差が、3ヶ月と3年という差になっているのです。
そもそも学力の最大値とは何かですが、潜在能力やポテンシャルという風に言い換えても良いものです。
塾の本来の仕事は最大値を伸ばす事ではなく、最大値まで学力を上げる事です。
しかし、それでは成長が早く止まるので、最大値をなんとか伸ばそうとどこの塾も必死になっています。
学力の最大値の測り方
学力の最大値を伸ばすには、まずは学力の最大値の概算の出し方を知る必要があります。
これは意外と簡単です。
まず、子供が最も熱中している事はなんでしょうか。
他の子供と比べて上手いでしょうか。
例えばサッカーに熱中しているなら、そのチームあるいは地域で何番くらいに上手いのか。
武道や将棋などなら、大会に出た時に何位までなれるのか。
真ん中あたりなら、偏差値50。学力の最大値は平均点ということになります。
上位30%で偏差値55。学力の最大値はオール4といった具合です。
なぜ、学力の最大値を熱中しているもので測るのか。
それは学力の最大値(ポテンシャル)は自分の伸ばし方をどれだけ知っているかという、メタ認知だからです。
物事に熱中すると認知は伸びます。
熱中して本を読まなければ読解力の向上に繋がらないという研究もあるほどです。
そもそもの話、最も大好きで熱中しているもので平均以下だった場合、好きでもない勉強で平均以上にはなれないのです。
学力の最大値の伸ばし方
まず、熱中できるものを見つけてください。
そして、それを極めてください。
一番好きなことであれば、試行錯誤も苦ではないはずです。
好きでもない勉強で試行錯誤するのは中々に苦行です。
まあ世の中に勉強が一番楽しいという人も5%弱ほどいますので、その人たちは勉強で最大値を伸ばせば良いです。
米国の大学などは入学の時に学力よりも、学校生活で何をしたかを見ます。
これは学力の最大値をおそらく見ているのでしょう。
日本では学力を通して、大学でも学んでいけるかという学力の最大値を測っています。
日本式と米国式どちらが良いかというのは良く議論になりますが、これらは表裏一体の関係で結局は学力の最大値を見せるという点で同じなのです。
メッセージ
大学受験、高校受験の勉強を見て来た私から、これから入ってくる生徒に送るメッセージ。
勉強はして来なくて良いです。私が伸ばします。
ただ、大好きで熱中している何かをとことん伸ばして来てください。
塾に入る前に勉強なんてしている暇は無いですよ。
早く学力の最大値を伸ばさなければ、間に合わなくなります。
英語なんて小学校6年間やっても、中1の4ヶ月で抜かされてしまうんですから。