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受験と小論

近頃の大学受験

最近大学受験で一般受験をする生徒が減っています。

一般受験とはセンター共通テストを受け、二次試験で大学独自の筆記テストを受けるという、いわゆる普通の受験方式です。

では、何が増えているのか。

指定校推薦(公募推薦)と総合型選抜(AO、公募推薦、自己推薦)

などなどです。

指定校推薦は学校の成績だけで大学に入れるというものです。

その他の選抜は大体小論や面接が課されます。

うちでは国語の一環として中学から小論の練習をずっとやっていたましたが、小論で受かったという話を聞くとなんとなくむず痒くなります。

小論の訓練は成績、学力全てに効く特効薬として使っていただけなので。

よくある考え方

高校の途中から塾に入ってくる生徒で多いのが以下の考え方です。

指定校推薦で大学に行きたかった。

けど、高校一年生の時の成績が悪くて良い大学の指定校推薦がもらえない。

だから一般受験をする。

5科7科目受けて国公立を目指す。

やっぱり間に合わないから、3科目の私立にする。

それも間に合わなそうだから、総合選抜で小論を使う。

経験則上このタイプの生徒は3科目の一般受験で私立に行くことが多いです。

理想的なパターン

国公立に向けて5科7科目勉強

指定校推薦も良いのが提示される。

一般受験の方が良い大学に入れそうなので、ここでどちらにするか悩む。

一般受験に決めた場合、総合選抜が早い時期にあるので、一般にするか総合選抜で小論にするか悩む。

と言うようにどの選択肢も取れるようになるというのが理想パターンです。

実際のところ指定校推薦の成績、一般受験の学力、総合選抜の小論力を全て持っているか、全て持っていないかに二分されます。

どれか一つだけ大丈夫という生徒はほぼほぼ見た事がないです。

ゼロか百かです。

なので、高校一年になる前から高校の準備をしっかりして、全てできるようにしておきましょう。

と言う事なのですが、本題は小論です。

小論ならできる気がする

できません。

一番伸びません。

小論と国語が最も伸ばすのに時間がかかります。

例えば2016年の慶応経済の小論

共和主義的政治理論の自由とはなにか。リベラルな自由と対比しながら、300字以内で説明しなさい。

 たとえば、地球温暖化防止対策のように、次世代のために現在のわれわれがこうすを払うことは、われわれの自由と矛盾しないのだろうか。課題文の考え方を参考にして、自己統治、道徳などに触れながら、あなたの考えを300字以内で論じなさい。

課題文を読んでその場で書くのですが、これが一年や半年でできるようになるのなら、5科7科目もできますし、最初から成績も良いです。

普通の勉強なら、問題集を解くだけでできるようになりますが、小論はそもそも勉強の方法からして難しいのです。

総合型選抜は一見普通の受験と比べて簡単そうに見えるのですが、実際は一般受験の方が楽です。

就職とカジノみたい

一般受験は就職、総合選抜はカジノに似ています。

一般受験、特に5科7科目は勉強量が多く努力を必要とします。しかし、やることは決まっており、ただ頑張るだけで着実に伸びます。また科目が多い分、当日のラッキーやアンラッキーはほぼありません。

就職して正社員になって福利厚生がしっかり貰えて、給料もこの程度と分かるのと似ています。

総合選抜は教材などがあまりなく、努力の方向性が分かりにくいです。また、当日の題材や、たまに採点者の考えなどで当たり外れがあることがあります。というかよくあります。

なので、カジノのようにワンチャン受かるかもと思って小論を選択する生徒がいます。

ただ、ご存知の通りカジノで儲けられることはごく僅か。大体が損をします。

しかし、カジノで大勝ちする人もいます。エドワードソープのようにカジノ(ブラックジャック)の必勝法を数学的に考えた人もいます。

実は小論も必勝法があります。

ただ、身につけるのが難しく、時間もかかります。

中学、ないしは小学生のうちから準備をする必要があるほどです。まあ、カジノの必勝法を考えるほど難しいことではありません。

小論の必勝法

先ずは現代の幅広く深い知識。

テレビ東京のモーニングサテライトかワールドビジネスサテライトは録画して毎日見るようにすると良いです。

そこで、なぜなのか?なぜなのか?と考えます

そして、批判的に考える癖。

中学の弁論大会などを見ると、大体が環境を守りましょうと言うものになっています。

思考が停止しています。

例えば、「太陽光発電を推し進めて地球温暖化を防ごう」と言う社説があったとします。

これに対する小論を書かせると「太陽光発電を推し進めて地球温暖化を防ごう」と言う内容の小論が出来上がります。

それは小論ではなく要約です。

反論か、予測か、代替案を書こうと思わないと大体要約が出来上がるのです。

大事なのは批判的に考えて出来上がる、反論、予測、代替案です。

太陽光発電で地球温暖化が防げるのか?

太陽光発電にデメリットはないのか?

地球温暖化が一番重大な問題なのか?

批判的に考える癖を作ります。

そして文章のフォーマット

「私は〇〇だと考える。なぜなら〜
確かに〇〇という考えもある。しかし〜」

この書き方をすると、なかなかに良い小論の体裁が整えられます。

これを組み合わせて、肉付けするだけで、最低限合格点がもらえる小論が出来上がります。

練習法

社説かニュースで100〜200字の程の小論を書く練習をすると良いです。

小論の内容は反論か予測、代替案です。

要約や賛成意見は禁止です。

「私は〇〇だと考える。なぜなら〜
確かに〇〇という考えもある。しかし〜」

で書けばすぐに100字は超えます。

小論の採点基準は色々ありますが、練習の時の基準は

実現可能性があるのか

実際にそうなのか

エビデンス(証拠)はあるのか

と言う現実に則しているかどうかです。

ファンタジーではいけません。

親ができること

小さい頃から小論の必勝法を意識して口頭で話をすると良いです。

このニュースおかしくない?

これからどうなると思う?

他に方法はない?

こういった話に慣れ親しんでください。

早い方が良いですが、少なくとも小学五年生になったら始めた方が良いです。

子供には難しいのですが、いつまでも子供だとできるようになっていきませんので。

「それってあなたの感想ですよね」と言うひろゆきの言葉が流行っているようです。

とても良いことです。

小論で感想を書くと落ちます。

僕は生徒に感想を言ったことはないですし、親から感想を聞いたこともないです。話し合いの時ですよ。

映画や音楽などの感想はいいのですが、ニュースなどに関して感想は言わない。少なくとも感想と意見を分かりやすく分けてあげると子供は理解しやすいです。

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